【役職も部署もない組織】DWSの「専門家チーム」組織運営
当社デロイト トーマツ ウェブサービスでは、創業当初から役員以外のメンバーには役職がなく、全員がお互いにフラットに接しています。そんな当社ですが、2023年6月より、「専門家チーム」という新たな組織構造の運営を始めました!
今回のブログでは、その組織構造の紹介と、それを通じてDWSのカルチャーを紹介していきます。
専門家チームの必要性と目指す姿
DWSは2022年1月の時点でメンバーは10数名規模の組織でした。そこでは役員のkuni, geneが組織全体を管理して、お客様との商談やAWSとの連携、プロジェクトマネジメント、開発、運用保守、人事関連等のすべての業務を担っていました。
2023年8月時点では39名の職員が在籍しており、さらにFY24(2024年5月)終了時点では50名、FY28には100名前後のチームとなることが想定されています。組織が拡張しながらもお客様に高い価値を提供し続けるためには、これまでとは異なった組織運営体制が必要となります。そこで、今まで役員のkuni, geneに集中していた判断や権限を、どんどん移譲していくことを目指して専門家チームを構成しました。そして、その専門家チームへのオフロードを通じて、DWSチームを100名、200名と大きくスケールできるとともに、ビジネススピードを加速できる強いチーム基盤を作り上げていくことを目的としています。
専門家チームは部署ではないため、優劣や上下はありません。役割と責務が違うだけであり、「全員が花形」であるとkuni, geneも強調しています。そして、それらの専門家チームがそれぞれ連携しシナジーを創出することで、高い価値を顧客に提供していくことを目指しています。
各専門家チームの概要と概念図
続いて各専門家チームの概要を紹介します。
専門家チームに関する社内ドキュメントには
- 各専門家チームの概要
- それぞれのロールが担う具体的な業務・責務
- それぞれのロールに求めること
が記載されていますが、文章量の都合上今回は「各専門家チームの概要」のみを紹介します。(追って各専門家チームの紹介ブログも書いていきたいと思いますので、少々お待ちくださいませ。)
なお、会社としての姿を正しく伝えるために、以下の部分はすべて社内ドキュメントから引用していきます。
0. エンジニアリングチーム
Webサービスや業務システムにおける、サーバーサイドアプリケーションやAPI、バッチ/データ関連処理などのビジネスロジック領域をメインに、設計・開発および運用を担当してもらうバックエンドや、シングルページアプリケーション(SPA)をメインに、フロントエンドアプリケーションの設計・開発および運用を担当してもらうフロントエンド領域など。
AWSやクラウドマネージドサービスを徹底的に活用したモダンアプリケーション開発(AWS用語で言うMAD領域)をコアにしたエンジニアチーム。
1. プリセールス・オファリングチーム
上流工程ではデロイト トーマツ グループのリスクアドバイザリーやコンサルティングのプロフェッショナルと密に連携して、主に大企業向けのDX支援における顧客課題の解決に向けたDWSならではの提案を担う。
また、AWS最適化、DevSecOps、デジタル内製化、マネージドサービスなどクラウドをコアに、市場競争力の高いオファリングの検討・立ち上げを行う。
2. プロジェクトリード / Scrum Masterチーム
プリセールス・オファリングチームと密に連携し、提案及び受注プロジェクトのステークホルダーとの調整、要件定義・支援、及びScrum Masterとしてプロジェクトを力強くリードする。
3. バックオフィス
経理、人事、総務、法務を筆頭に、デロイト トーマツ グループの人事・総務担当者と連携して、DWSのバックオフィスを担うチーム。
4. DCoE(Deloitte Center of Excellence)
各プロジェクトやスクラムチームを横断的に技術管掌した上で、テクニカル面のサポートや指南、技術スタックの指針を打ち出す。
加えてエンジニアリングチームを対象としたチームビルディング活動・施策の立案、エンジニアへの1 on 1なども担当する。
5. AWSエバンジェリスト(Ambassador)
AWS Japanと連携してコミュニティ活動やアンバサダーとしてDWSのAWS界隈におけるプレゼンスを向上させる。
AWSエバンジェリストはAWSグローバルの公式認定プログラムである 「AWS Ambassador」 メンバーを想定している。
6. SRE(運用高度化チーム)
Site Reliability Engineering(SRE)として
- ビジネスアジリティの向上
- TCO(トータルコスト)の最適化
- レピュテーションリスクのヘッジ(ブランドイメージの維持)
これらの価値提供を前提に、運用の高度化を提供するチーム
補足
専門家チームの概念図
それぞれの連携を表す概念図は以下です。
こちらの図で、各専門家チーム同士の位置づけや連携がイメージしやすくなると思います。
なお、これはあくまで2023年5月時点でのkuni, geneの構想を描いたものです。実態としてはここから外れている部分も多々あります。DWSでは一人ひとりの意思を尊重し、意見を吸い上げる文化があります。各専門家チームでこうして行きたいという意見があれば、全員で議論して柔軟に取り入れていく仕組みがあります。
例えば、「2. プロジェクトリード、Scrum Master」と一番遠くにいる「5. AWSエバンジェリスト」が共同でウェビナー開催の業務をしています。また、登壇者として「0. エンジニアリング」のメンバーに依頼したり、ビジネス目線でのアドバイスを「1. オファリング・プリセールス」からもらったりする等、専門家チーム横断のプロジェクトも多々あります。
「1. オファリング・プリセールス」から「2. プロジェクトリード、Scrum Master Team」へは「セールス連携」として一方向に矢印が伸びていますが、実際には商談中案件や進行中案件の件数や状況を見て、お互いの業務を適切にサポートしています。
さらに、この図では出てきていないCTOのgeneは、バックオフィスチームに所属しています。これは今まで人事関連業務をすべてgeneが一手に担っていたという背景に加え、継続して採用活動に注力したいという想いがあります。当然実際には、開発で困っているメンバーへのアドバイスも行いますし、プロジェクトリードを行っているメンバーの相談に乗ったりと、専門家チームの領域を飛び越えて業務を行っているという姿を一番に体現しています。
このように専門家チームは役割であり部署ではないため、各メンバーそれぞれが各自の判断で組織のためにできる行動を取っています。そしてそれが各専門家チームの柔軟な連携に繋がっています。
エンジニアリングチームが「0」番になっている理由
7つの専門家チームですが、カウントはエンジニアリングチームの「0」から始まっています。これは、「どんなロールも根底にはエンジニアリングがある」というkuni, geneの想いが表れています。
例えば私は「2. プロジェクトリード / Scrum Masterチーム」に所属しています。これは前職の大手SIerでのプロジェクトマネジメントの経験を活かしたものですが、DWSへ入社したときは自分の希望もありエンジニアとして入社しました。そして約一年間モダンアプリケーション開発に従事した後で「2. プロジェクトリード / Scrum Masterチーム」に所属しました。
このように、DWSでは各ロールのメンバー全員がエンジニアとしての素養を持っています。わかりやすくいうと、全メンバーが技術が好きであるということが根底にあります。
DWSのカルチャー
役職、部署がないことの一番の利点は、全員がのびのびと働けることだと思います。DWSはメンバーの実績やスキル以上に、カルチャーマッチを大切にしたチーム作りを行っています。それは、先日公開されたkuni, geneへのインタビュー記事でも表れています。
「More Proffesional」「More Trust」「More Fun」の行動指針を全員が意識しており、それに沿って自発的に様々な行動を起こす文化があります。そしてそれが個人の成長に繋がり、組織の成長へと繋がります。
この専門家チームという構造は、組織が拡大してもそのカルチャーを大事にしたいというkuni, geneの気持ちが表れています。そしてその構造の中で働くDWSのメンバー全員も、このカルチャーを大事にしたいと思いながら、それを維持させるために自発的にチームのために行動を起こします。今後もDWSはビジネスやテクノロジーの変化、メンバーの増加等の変化に対応しつつ、根底にあるカルチャーを全員で維持していくようにチームビルディングにも注力し続けていきます。
まとめ
今回は専門家チームという当社の組織構造を通じてDWSのカルチャーを紹介していきました。DWSでは一緒に働く仲間を大募集していきます。このユニークな専門家チームという組織構造、そしてMMMの行動指針を大切にするという当社のカルチャーに興味をお持ちいただいた方は、ぜひ採用ページからご応募ください!
以上、専門家チームでのびのびと楽しく働いているtecchanがお送りしました!