読書について(過去のMLTから)
弊社では毎週、ブログの当番にスポットを当てて、好きなもの、ハマっていること、◯◯に行ってきた、☓☓が良かった、等を15分程度で話すミニMLTを行っている。
ミニMLT、MLTについての詳細は下記参照。
10%ルールやミニMLTなど、始めました | MMMブログ
MLT 始めました | MMMブログ
今回は、私が4月に話をした読書に関する話が比較的好評で、「ブログで書けばいいのに」っていう反応があったので、それをまとめてみる。
(ここ最近のMLTで話している投資関連の話題は、反応が薄くてちょっとだけツライ……)
きっかけ
MLTで読書に関する話をしようと思ったきっかけは、社内のメンバーから読書についての話をしたときにこんな発言があったからだった。
【普段一切読書をしないAさん】
本を読んでいると、どこを読んでいたかわからなくなって、 同じ行を読んでしまったりする
【同じく読書の習慣がないMさん】
わからない言葉や単語があると、それを調べてみるけど、さらにわからない言葉が出てきて なかなか進まない
こういった話を聞いたときに、「読書ってそんなに難しく考えずに、もっと気軽にするものじゃない?」って感じてしまったことがきっかけだった。
読書に関してこういう考えをしてしまう背景
読書に関してこういう考えをしてしまう背景は、日本の国語の時間にあるのではないか。
日本の学校では、「音読しましょう」「著者の気持ちを考えてみましょう」「枕草子の第一段は一字一句覚えましょう」というような教育をされていたことで、 読書はこういうものなんだ、こういう風に読まないといけないんだって真面目に考え過ぎてる のかもしれないな、と。
こういった傾向は、勉強や読書に対して苦手意識がある人は特にそうなんじゃないか、と思ってしまった。
私は、小学校の4年から中1までアメリカにいたのだが、アメリカの学校では小学校の段階で、スキミング(Skimming)とスキャニング(Scanning)という読書方法を学んだ。
スキミング、スキャニングとはざっくり言うと下記のような読み方だ。
スキミング(Skimming)
- 俗に言う「斜め読み」
- 文章の要点をすくい取り、全体の大意を理解する
- 段落の1文目や最後の文を拾い読みする
スキャニング(Scanning)
- 大量の文章から特定の情報を探し出す
- 欲しい情報やキーワードがあったら、その周辺をしっかり読む
こういった読み方があるんだ、熟読しない読み方があるんだ、ということを知っているかどうかだけでも、読書に対する考え方が変わってくるのではないだろうか。
熟読してもすべてを記憶するのは無理
そもそも熟読しても、本の内容を理解して、すべてを記憶にとどめるのは無理 だということを認識しているかどうか、ということも重要だ。
上記は、代表的な忘却曲線である。
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスによると、読んだ内容も1日後には、7割以上を忘れてしまうらしい。
何日もかけて熟読しても……最初の方に読んだことは5分の1しか頭に残ってないということに……。
時間をかけて1回熟読するより、短時間で要点を把握して何度も繰り返し眺める。それぐらいの感覚で読書した方がいいかもしれない。
身につけたいならアウトプットも忘れずに
書籍の内容をしっかりと身に付けたいなら、読むだけではなくて、実際に手を動かす、口に出す、等の行動を行うことも重要である。
- 技術書であれば、手を動かしてコードを書く
- 読書会で議論する
- 他の人と話す、チームメンバーに教える など
こういった行動を伴うことで、読むだけと比べて記憶の定着率が上がる。
熟読するなら目次
熟読するのであれば、目次だと思う。
- 書籍に何が書かれている?
- どういう流れで書かれている?
- 自分が欲しい情報はどこに書かれている?
- 書籍の何割ぐらいのページがその章に割かれている?
- この書籍が主張したいポイントはどこ?
こういった情報が、目次に凝縮されているからだ。
例えば
目次を熟読した上で、技術書なら、要点、用語、概念、設計指針などを把握して、実際に触ってみてわからなかったら書籍を確認。もしくは、同じような書籍を数冊読んでみる、とか。
ビジネス書なら、 自分がその書籍から何を得たいのか、何を知りたいのかを意識 して、ざーーっと読む。
自分に置き換え、当てはめてみて考えてみる。興味ないところは読み飛ばしちゃう。
(仮に読み飛ばしても、本は何度読み直しても良いものだし、読むタイミングによって感じるものが違うだろうから)
こんな読み方を試してみてはいかがだろうか。
まとめ
今回は、社内で行った読書についてのMLTをまとめ直してみた。
読書はもっと楽しいものだよ、気楽に楽しんでいいんだよ、ということが少しでも感じてくれたらいいな、と思って、MLTにこのテーマを選んだ。
読書に対して、真面目に考えすぎている人は、こういった読み方もあるんだ、ということを認識してくれたら嬉しい。
【参考書籍・URL】
遅読家のための読書術
エビングハウスの忘却曲線