AWS

AWSにおけるクラウド移行についてまとめてみた

yuhan

こんにちは、yuhanです。

今回は、AWS への移行に関して、AWSにおける移行のフェーズや関連サービスについてまとめてみました。

AWS におけるクラウド移行

AWSへの移行では、大きく3つのフェーズで対応を進めます。

  • Assess(評価)
  • Mobilize(準備)
  • Migrate&Modernize(移行とモダナイズ)

実際の移行を推し進める前に、現存環境の評価を行い、具体的な移行の計画を立てていきます。

移行においては、準備や計画が大変重要となり、ここでの工程がしっかりと行われることで、移行の成功率が大きく変わってきます。

Assess

移行計画を立てる前に、まずは移行元環境について現状を分析する必要があります。

  • どんなアプリケーションを持っているか。
  • どのような環境で稼働しているか。
  • どのような状況で運用されているか。
  • 移行によるコスト削減の見込みはどのくらいあるのか。

適切にAssess(評価)のフェーズを行うことで、どのように移行を進めていくのか計画が立てやすくなります。

Mobilize

移行を行なう前に、移行に向けた計画の策定や課題の整理を行なっていきます。

どのように移行していくか、移行の戦略を整理して、移行のゴールを明確にします。

Migrate&Modernize

移行の計画を立てたら、実際の移行を行なっていきます。

また、移行後もしくは並行してモダナイゼーションも行なっていくことで、クラウド環境に最適化したアーキテクチャを構築することができます。

移行パス

AWSは、各移行パスの頭文字を取って「7R」を提唱しています。

7Rとは、具体的には下表の通りです。

上にあるものほど、工数がかかりますが、移行の効果が大きくなります。

移行パス名概要
Refactor(リファクタ)アーキテクチャを再設計して、アプリケーションやデータベースの改修を行い、クラウド環境に最適化。
Replatform(リプラットフォーム)DBやファイルサーバーをAWSのマネージドサービスに移行するなど、OSやミドルウェアの変更やアップデートを行って移行。
Repurchase(リパーチェス)パッケージソフトウェアやSaaSを新しく再購入して置き換え。
Relocate(リロケート)VMWare環境をVMWare Cloud on AWSに移行して、既存の環境に大きく変更を加えずに移行。
Rehost(リホスト)OSやアプリケーションをそのままに、既存オンプレミスサーバーをEC2に移行。
Retain(リテイン)要件や優先度を踏まえて、現行の環境で継続して運用。
Retire(リタイア)他システムへの統合や廃止が可能な場合に、サーバーやアプリケーションを停止/廃止。

理想としては、リプラットフォームを行なってクラウドネイティブなアーキテクチャに移行することが望ましいと思います。ただ、時間的な制約やコストなどの観点もあるため、まずはリホストを行い、それまで運用などにかかっていた工数を削減した後に、モダナイズを推進していくという戦略を取ることもあります。

「移行」と一言で言っても、いろいろなアプローチができることがわかりますね。

AWSにおけるマイグレーション関連のサービス

ここからは、移行における各フェーズで活用できるAWSのサービスを紹介します。

AWS Application Discovery Service(ADS)

Application Discovery Service は、AWS に移行するためのアプリケーションの評価と計画を支援するサービスです。

エージェント(エージェントレスも対応)を用いて、移行元環境の情報収集を行い、移行前の評価を行います。

Migration Hub や Athena(+QuickSight)、DMS Fleet Advisor などの他AWSサービスと連携して、収集した情報の可視化や分析を行うことができます。

エージェントレスでの実行もできますが、利用できる環境が限られています。また、エージェントで収集できる情報とエージェントレスで収集できる情報には違いがあります。利用を検討する際は、どちらの方法を選択するべきか、要件と併せて確認しましょう。

Migration Evaluator

Migration Evaluator は、同じく移行前の評価を支援するサービスです。

年間コストの試算やライセンスに関する比較、コスト削減シナリオの作成などができ、クラウド移行のコスト削減効果を訴求したい時に活用できます。

AWS Migration Hub

AWS Migration Hubは、AWSへの移行において、下記の一連のプロセスを支援するためのサービスです。

  • Discover(検出)
  • Assess(評価)
  • Strategy(戦略)
  • Migrate(移行)
  • Refactor(リファクタ)

Application Discovery Service と連携して、推奨する移行戦略の提案やアンチパターンの分析を行うことができます。

Migration Hub Strategy Recommendations や Migration hub refactor spaces、Migration hub journeys など、移行に役立つ機能が提供されています。

AWS Application Migration Service(MGN)

AWS Application Migration Serviceは、AWSへのリホストを支援するサービスです。

移行元のサーバーにエージェントをインストールして、各種設定を行うことで、AWSへのリホストを実現することができます。

移行の流れがGUIでわかりやすく表示され、移行の進捗状況やエラーの確認がしやすいのが特徴です。

また、サーバー起動後にアクションを追加することができ、SSM Agent やCloudWatch Agentのインストールなどを自動化することもできます。

AWS Database Migration Service(DMS)

AWS Database Migration Service は、DB間でのデータ移行を支援するサービスです。

異なるデータベースエンジン間でのデータ移行や、オンプレミスからクラウドへのデータ移行を行うことができます。

AWS Schema Conversion Tool を併用することで、スキーマ変換も行うことができます。

学習方法におすすめなコンテンツ

移行に関する考え方や各サービスに関する学習については、AWSが提供しているBlack Belt Online Seminar や Skill Builder のコンテンツを利用するのがおすすめです。

Black Belt Online Seminar

タイトル通り、大規模移行向けのベストプラクティスについてのセミナーです。移行戦略の立て方や事例なども紹介されています。

AWSへの移行について、先述したフェーズや7Rも含めて解説しています。また、Application Discovery Service や Migration Evaluator などのDiscoveryツールの利用についても触れているので、実際にサービスを利用する前にどのようなものかイメージしやすくなると思います。

Skill Builder

Migrating to AWS

AWSへの移行戦略や移行までの各ステップについて学ぶことができるクラスルーム型のトレーニングです。

Introduction to the AWS Cloud Adoption Framework (CAF) (Japanese)

AWS Cloud Adoption Framework (CAF) について学ぶことができるコンテンツです。

AWS partnercast

AWS partnercast は、AWSパートナー向けのウェビナーやトレーニングをまとめたライブラリです。移行に関するコンテンツも多数揃っています。

本ブログ

また、本ブログには、先述のAWSサービスに関連する記事もあるので、そちらも是非ご覧いただければと思います。

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