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テレワーク成功の鍵は『雑談』『可視化』にあり!テレワーク歴10年のMMMが伝える社内コミュニケーションの重要性

kuni

遅ればせながら先月から「あつ森」での無人島生活デビューした、MMM代表 国本です。

新型コロナウイルス対策をきっかけに多くの企業がテレワーク(リモートワーク)をスタートし「場所・時間に縛られない柔軟な働き方」として国内でも定着しつつあります。

MMMでは2010年より本格的に全業務をテレワーク化し、今年で早10年が経過しましたが、今後多くの企業でテレワークが長期運用されるにつれ、顕在化する可能性が高い『社内コミュニケーション課題』について、今回お話してみようと思います。

テレワーク運用時の大きな課題『社内コミュニケーション』

総務省や東京都産業労働局によるテレワークの実態調査においても『社内コミュニケーションの支障』という課題が取り上げられていますが、具体的にどのような問題が存在しているのかを考えてみます。

コミュニケーションの不足が引き起こす「疎外感」「孤立感」

2002年に分散勤務に関して発表された論文 メディア空間による分散勤務者のコミュニケーション支援システム「e-office」
において、テレワークを含む分散勤務のコミュニケーション課題として

  1. 勤務者自身の所属組織からの疎外感
  2. 組織内でのインフォーマル(非公式なやり取り)コミュニケーションの不足
  3. 社会からの孤立感
  4. 一人勤務の漠然とした不安感

が指摘されています。

実際にある程度長期間テレワークに取り組まれた企業は実感できるかと思いますが、各メンバーが物理的に異なる場所でチャットベースなどの非同期コミュニケーションを多様するテレワークでは、他のメンバーの状況をリアルタイムで把握できず、また気軽な声掛けがしづらいという土壌があります。

『雑談の醸成』と『メンバーのアクティビティ可視化』が重要

一般的なオフィス勤務(ローカルワーク)では

  • 物理的に一箇所に集まるため意識せずとも互いの状況を認知している
  • 物理的な接触機会が自然と増えるためインフォーマルな会話が発生しやすい

というコミュニケーションの優位性があります。

同論文の分散勤務における実証実験結果で

『世間話の発信・受信を含む雑談ニーズの大きさ』
『他ユーザーの状況を認知することへの大きな関心』

このような声があがっており、これらニーズに応えることでテレワークでの社内コミュニケーション課題の克服に繫がります。

MMMにおいても10年に渡る長期間のテレワーク運用を通じて、課題解決の鍵となるのは『雑談の醸成』そして『メンバー間の業務アクティビティ・状況の可視化』だと実感しており、これらを実現することでチーム力の強化を図っています。

MMMの具体的な取り組みについて

雑談の醸成と、メンバー間のアクティビティ・状況の可視化という観点で、MMMで2020年現在実施中の取り組みを紹介します。

1. 毎日の「マン・ツー・マン雑談タイム」運用

当ブログでも以前 マン・ツー・マン雑談タイムの効果 として紹介していますが、MMMでは毎朝の定例後にチャットボットによってランダムに選ばれたペアで「完全業務外の雑談を最低5分間実施」というデイリーでのマン・ツー・マン雑談タイムをルール化しています。

役員・従業員含めた全メンバーが参加しており、業務では折衝が少ないメンバーでも、プライベートな趣味・嗜好、ライフスタイルなど、業務外のテーマであれば、接触回数をこなすことで自然と話しが弾みます。

この運用によりメンバー間の接触機会をランダム、かつ、強制的に発生させることで業務におけるコミュニケーションの敷居も下げることができ、結果的に円滑なプロジェクト運営に繋がっています。

2. 業務アクティビティのチャット通知(API連携)による可視化運用

テレワークは、物理的に離れた場所で働くことになるため

  • 今メンバーはどのような作業状況なのか?(ハマっているのか?順調なのか?etc...)
  • 食事、お手洗い、その他、離席しているのか?
  • もう業務を開始しているのか?もう退勤したのか?

オフィス勤務ではあたりまえに目視や当人の雰囲気で感じ取れる、認知ができないケースが多々あります。

よって、テレワークにおいては各メンバーがオフィス勤務以上に『業務の開始・終了』『業務のステータスやアクティビティ』の可視化を意識的に行っていく必要があります。

MMMでは非同期コミュニケーションツールとしてビジネスチャットの「Slack」を利用しており、SlackではAPIを使い多様なSaaSと連携可能です。

このAPI連携を利用し、各メンバーの活動を自動的にSlackチャンネルに通知することで、業務活動の可視化を実現しています。

具体例をあげると

  • 各メンバーの開発・テスト・リリース状況(GitHub/BitBucket/CircleCI連携)
  • 社内外のプロジェクト状況(Backlog連携)
  • 見積・検収・請求・入金状況(MakeLeaps連携)
  • 社内共有ドキュメント整備・ナレッジ化状況(esa.io / Cacoo連携)
  • 会議招集・開催状況(Googleカレンダー連携)

など、多種多様なSaaSと連携し、可視化を図っています。

この連携によってメンバーに余分な負担を掛けず、他のメンバーの状況を認知することができ、アクティビティをきっかけとした適切なヘルプの実現や、声掛けの敷居を引き下げることを実現しています。

3. 業務と関係ないチャンネル(グループチャット)運用の推奨

ビジネスチャットツールではチーム(部門)やプロジェクト関係者毎にチャンネル(グループチャット)を運用している企業が多いと思いますが、MMMでは直接業務と関係ないチャンネルの作成・運用を社として推奨しています。

例えば、ゲームに関するチャンネルや

健康管理(ダイエット活動)報告など

全メンバーが自由に作成できます。

オフィス勤務において、ランチタイムや小休憩時間に共通の趣味やプライベートな会話を交わしたりする機会が必ずありますが、同様の機会をテレワークでも実現したいというのが狙いです。

4. ピア・ボーナスによる「感謝の可視化」活動

MMMでは2019年4月からメンバー同士で日々の業務・振る舞いに対して、感謝を贈り合うピア・ボーナスを導入しています。

こちらも以前当ブログ ピア・ボーナス(HeyTaco!)を導入した背景とその狙い で紹介していますが、本格的な運用開始から1年が経過し、2020年現在で「一人あたり一日4.2回の感謝を贈る」という実績があり、社内コミュニケーションの活性化、そしてメンバー間の関係性向上において一定の効果があります。

社内コミュニケーション改善の取り組みは企業競争力に繋がる

MMMでは今回紹介した取り組み以外にも、週替わりでメンバーによるライトニングトークの実施、リモートでの部活動を支援など、様々なコミュニケーション施策について考案・実践を続け、改善活動に取り組んでいます。

テレワークの本格的な運用をスタートする多くの企業にとって『テレワークでの密なコミュニケーション風土』を作り上げることは、より価値の高いソリューションやサービスを生み出す企業競争力への投資であるとMMMでは考えています。

テレワークでの社内コミュニケーション課題でお悩みの皆様に本ブログで紹介した取り組みが、少しでも参考になれば幸いです。

皆様のテレワークライフが素敵なものになりますように...。

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