上海でのリモートワーク ~VPNと共に過ごす日々~

6月6日から上海に来て、リモートワークをしている伊藤です。
なぜ上海に来たのかは会社情報の[役員・社員紹介]の紹介文を読んで頂ければと思います…

今回は上海でのリモートワーク事情をお伝えできればと思っています。
前半にVPNの話、後半にリモートワークの話をしますが、結論を先に言っておくと、かなり大変です…

VPNは必須

ご存知な方も多いと思いますが、中国政府がGFW(Great Fire Wall, 金盾)というネットワーク閲覧システムを構えていて、中国国内からはFacebookやTwitterはもちろん、Googleまでも使えません。(google.com.hkは使えます)

GFWを回避するために私は中国国外にVPNサーバーを構築して、そこに常時VPN接続をする形で仕事をしています。
今回用意したVPNサーバーは以下の6つです。

  1. さくらVPSのサーバー(東京)
  2. AWSのEC2インスタンス(東京リージョン)
  3. DigitalOceanのVPS(サンフランシスコリージョン)
  4. DigitalOceanのVPS(シンガポールリージョン)
  5. 大学のVPNサーバー(京都, 昨年卒業したばかりなので7/1まで利用可能)
  6. 自宅のVPNルーター(静岡, not サーバー)

5番以外はL2TP over IPsec、5番はPPTPによるVPNの構築です。
3番はさすがに物理的距離が遠すぎて、実用的な速度は出ませんでした。

VPNは必ずしも繋がらない

なぜこんなにたくさんのVPN環境を用意しているかというと、中国のネットワークはプロバイダによってVPN接続ができるサーバーとできないサーバーがあるからです。また、さっきまで普通にVPN接続できていたのに突然繋がらなくなったりする謎な現象も頻繁に起きるためです。

現在上海で確認できているプロバイダ毎の差異は

  • 中国电信(固定回線): 1~6すべて繋がる
  • 中国联通(固定回線): 5のみ繋がる
  • 长城互联网(固定回線): 1~6のすべて繋がらない
  • 中国移动(移動通信4G): 5のみ繋がる

という感じです。
私の住んでいるアパートでは、长城互联网が標準で契約されていましたが、VPNが繋がらないので最大手の中国电信に契約を変えました。

日本までの回線速度

中国と日本との間でどれだけのスピードが出るかは、場所に依存しています。
例えば、同じ場所で10Mbpsの固定回線を契約しても、100Mbpsの回線を契約しても、日本までの回線はほとんど変わりません。つまりボトルネックは家からインターネットに繋がる部分ではなくて、 中国と日本の間のネットワークのどこか になっていることがほとんどです。
つまり、快適なネット環境が必要であれば、いろいろな場所をまわって速度が出る場所を見つけるしかないのです。

場所に依存しない(しにくい)ものとして、移動通信システムを使うという方法もあります。上海の中国移动の4Gは中国国内で30~40Mbpsとかなり速いのですが、日本まで繋ぐと1Mbps弱になってしまい、仕事をするにはかなりキツイ速度です。
上海のいろいろな場所で試してみましたが、だいたいどこでも1Mbpsぐらいで、VPNも5番のものしか繋がりませんでした。

ネット環境探しに最適なRegus

ここからやっとコワーキングスペースの話なのですが、上記のように様々な場所を探しまわる必要があるのでRegusを契約しました。Regusはレンタルオフィスのようなサービスを世界中で展開しており、メンバーになるとビジネスラウンジやプライベートオフィスが使えるようになります。

上海には現在32拠点があり、毎月180元(3600円)のゴールドプラン会員になるとその32拠点のビジネスラウンジという共用スペースが使いたい放題になります。
(全世界の拠点を使いたい場合には毎月320元のゴールドプランの契約が必要です。)

日本との通信に適した上海のRegusオフィス

住んでいるアパート周辺のRegusで、VPN接続の可否と日本までの回線速度を計測したので、それを以下にまとめます。
※ 日本までの回線速度: VPN接続をした状態で、speedtest.netにて速度計測。

5つめに行った上海恒隆广场のオフィスで安定して比較的高速なネット環境を見つけることができたので、現在はここで仕事をしています。
ずっと同じVPNを使っていると時々繋がらなくなったりするので、その時は別のVPNを使っています。

ちなみに上海にもいくつかコワーキングスペースがあるのですが、利用料は毎月4~7万円ぐらいが相場で、聞いた話だと潰れてしまうことも少なくないようなので、あまりオススメではありません。
私が通う予定だったコワーキングスペースは、4月に確かめた時には営業していましたが、6月には潰れていました。

杭州で仕事をするという選択肢

仕事場はRegusをまわって快適なネット環境を探せばよかったのですが、住むところはそう簡単に引っ越しできないので、もしその場所で速度が出なければ諦めるしかありません。
私は中国电信の100Mbpsのプランを契約しましたが、中国国内で20~30Mbps、日本との間では0.3Mbpsぐらいしか速度が出ません。なので結局家では4Gでテザリング(上述したように1Mbsp弱)をしています。

上海から南に電車で1時間ぐらいのところに杭州という都市があります。中国のシリコンバレーと呼ばれていて、アリババなどのIT大企業の本社がいくつかある都市です。
私の恋人が杭州出身で、先週実家に帰る用事があったので、ついでに杭州のRegusと4Gの速度を測ってもらいました。
杭州外经贸中心のRegusでVPNを使って11Mbps、中国移动の4GもVPNが1~6すべて繋がって3Mbps前後でした。家では4Gテザリングで良いので、杭州に引っ越そうかなぁとも考えています…

※日本とは異なり、中国では移動通信のプロバイダは省ごとに管轄が違うので、上海と杭州の中国移动で速度/VPNの接続可否に差が出たのではないかと考えられます。

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