『チームが機能するとはどういうことか』
弊社ではチーム開発、ということを重要視しており、チーム開発については、何度かこのブログでも紹介があった。
チームで仕事を進めるにあたり大切にしていること | MMMブログ
チーム開発について | MMMブログ
チーム開発に必要な HRT | MMMブログ
今回は、『チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』という本を読んで、チームとはどうあるべきか、成功しているチームはどういうものか、チームの成長に何が必要なのか、など参考になることが多かったため、重要だなと思ったことを抜粋しながらまとめてみる。
効率的なチーミングの4つの柱
本書では、成功しているチーミングには、下記の4つの行動が必要だと述べられている。
- 率直に意見を言う
- 協働する
- 試みる
- 査察する
この中でも一番重要だと思うのは、 率直に意見を言う ということである。
率直に意見を言う
チーミングの成功は、誠実な会話ができるかどうかにかかっている。会話には、質問すること、意見を求めること、過ちについて話すことが含まれる。
質問する、意見を求める、間違いについて話す、提案する、懸念について話し合う、これらのことがしっかり出来ていると、チームメンバーとしては、他のメンバーの知識やノウハウを取り込むことが出来て、それを個人の知識として活用できるようになる。
積極的かつ率直にお互いに向きあおうとすると、人々は共有の仕事をもっと広く理解できるようになり、作業プロセス向上のアイデアを生み出せるようになるのである。
また新しい概念や方法の理解にも、率直に述べることは欠かせない、ともある。
ただ、
率直に意見を言うことは、あなたが思うより少ない
とあるように、問題になりそうな意見は言わずにいる人が多い、という研究も出ているそうだ。
どうしても、はっきり意見を言うよりは黙っている方が楽だからだ。
ただ、沈黙は素晴らしい可能性が生まれないことになり、問題に対処されないことを意味する。
沈黙はチーミングの邪魔をするもの、という認識をチーム内で共有し、積極的な議論や意見を交わし合うことが出来るチーム作りをしていきたい。
心理的安全
率直に意見を言うことが出来る環境として欠かせないのが心理的に安全な場である。
無知だと思われる不安、無能だと思われる不安、ネガティブだと思われる不安、邪魔をする人だと思われる不安、これらの4つのイメージリスクは、意見を言う際に誰もが少なからず感じることかもしれない。
そういった不安を少しでも感じずに、積極的かつ率直な意見交換が出来るチームが理想だと思っているし、そういったチームを目指して日々改善していきたいと思っている。
人が重視するのは、能力よりも優しさや信頼できるかどうか や正しい行いをする人かどうかであることが、研究によって証明されている。
もし仲間の誰かのことを優しくもなければ信頼もおけない人だと認識したら、たとえその仲間が有能であっても、人々は協調的なチーミングや学習に求められる方法では 質問もやりとりもしなくなってしまう だろう。
能力が高いか、技術力が高いか、というよりも、優しさや信頼できるかどうかということを人は重視するそうだ。
今以上にチームメンバーがお互いに、信頼し合える環境、心理的安全の高い環境を作れるように、私自身がしっかりと行動・改善していかなければならないな、と痛感した。
振り返りミーティング
今年度から、サーバーサイド、フロントエンド、の2つのチームでそれぞれ毎週1回その週の進捗確認、良かったこと、悪かったこと、気になること、チームで情報共有したいこと、チームで対応が必要なことなどを振り返るミーティングを行ってきた。
ただ、それぞれのチーム内のメンバー間では案件を通じて、話しあったりすることが多かったが、サーバーサイドとフロントエンドの連携が不足していた部分も多少あったかな、と感じることもあり、今週から方針を変え、案件ベースでサーバーサイド、フロントエンドそれぞれ案件に関わっているメンバーが一緒に、週一回の振り返りミーティングをすることにした。
本書に、下記のようにあったが、
チーミングが進化を発揮するのは、さまざまな専門家がさまざまな知識やスキルを協調的な仕事にもたらすときである。
サーバーサイド、フロントエンド、という技術領域でのチームミーティングをしていたときに得られたことよりも、もっと多くのものを得られることも期待している。
個人なら一人で考え、決定し、行動し、査察しても学べるが、集団的学習には話したり書いたりして会話することが絶対に欠かせないものだ。
また、この振り返りミーティング含めて、チームメンバー間で話し合うことで、より良い 学習できるチーム が出来るようになるといいな、と思っている。
チーム作りを考える上で
より良いチーム作りを考える上で、成功しているチーミングはどういうものか、どうあるべきか、(今回この場では紹介できなかったが)リーダーとしてはどうするべきか、などチームに関することがまとまっていて、非常に参考なった。
良書だと感じた。
今のチームの状況で読んで感じたことと、今後しばらく経った段階でのチームの状況を踏まえて読んで感じることは全然違ってくるだろうと思うので、また状況の変化に応じて読み直してみよう。