ソフトウェア開発におけるDevOpsカルチャーの重要性をご紹介するウェビナーを開催しました
1月14日にDevOpsに関するウェビナー「【DevOpsカルチャー解説セミナー】組織・人の壁を超えてソフトウェア開発を成功させる方法」を開催しました。
発表についてはYouTubeにアップロードしてあります。1時間ほどの少々長い動画となっていますので、今回のブログではウェビナーでお伝えした内容を要約いたします。
また、資料についてはslideshareにアップロードしてありますので、補足としてご確認ください。
ソフトウェア開発の複雑さに立ち向かうための対話の重要性
エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計には、以下のように書いてあります。
- ソフトウェア開発は複雑に立ち向かうことである。
- そのためには「ドメインエキスパート」と「開発者」の対話が極めて重要である。
ソフトウェア開発は本質的に複雑です。複雑さを解決するのは、
- 対話
- 技術
の2軸と考えていますが、技術のみによる解決は、そもそも作るものを間違ってしまった (なんの意味もないソフトウェアを作ってしまった) という結果になりかねません。少し過激な表現をすれば「すごい技術で作ったクソ」を生み出しかねません。
まずは対話を重ねることで、本当にユーザーに価値のあるソフトウェアを設計していくことが重要です。
DevOpsとは
DevOpsを若干狭く定義するのであれば、
「Development (開発) とOperations (運用) が連携し、スピーディーにソフトウェアを開発すること」
と言うことができます。
連携においては、文化的要素とツール的要素があります。ツール的要素は、バージョン管理ツール、継続的インテグレーション・デプロイのツールなどであり、ツールの導入は比較的簡単です。そのためか、ツールの導入をDevOpsと考えてしまっている方が多くいらっしゃると感じています。しかし、ツールを導入しただけでは本当の意味でのDevOpsではありません。ツールはあくまで技術的な表面的なものであり、それを支えるものがなければ、いくら素晴らしいツールを導入したところで良くならないことも多々あります。
DevOpsで最も重要なのはカルチャーの部分と考えています。
これは先に書いたソフトウェア開発における対話の重要性と関連しています。
DevOpsカルチャーとソフトウェア開発における重要性
DevOpsカルチャーについて、Effective DevOpsには以下の3つが挙げられています。
- コラボレーション: 個人間のコミュニケーション
- アフィニティ: 個人からチームへ、チームから組織へ
- スケーリング: チーム、組織のスケーリング
詳細は本を読んでいただきたいのですが、これらはまさにソフトウェア開発の対話に直結するものです。
BizDevOps
近年、BizDevOpsという言葉も出てきました。これは「Development」「Operations」に加えて「Business」を組み合わせた用語です。
この言葉は実は日本以外ではあまり使われていないようです。
日本においてはビジネスサイドと技術サイド大きな壁があるケースが多いです。システムを外注する場合はもちろん、社内で内製化するケースでも多くの場合はかなりの壁があることが多いでしょう。その壁を取り払うことが特に重要なため、日本においてはBizDevOpsという言葉が多く使われていると考えています。
MMMでのDevOpsカルチャー醸成の取り組み
MMMではDevOpsカルチャー醸成のため、様々な取り組み・試みをしています。以下、代表例を挙げてみます。
コミュニケーションの促進
- ランダムなマンツーマン雑談タイム (毎日)
- 感謝を見える化するピアボーナス制度
- プライベートな趣のライトニングトーク (毎週)
- リモート部活動: ダイエット部、読書部、コンビニ部など
継続的な学びと改善活動の実践
- 様々な社内勉強会・読書会
- 書籍購入・資格取得・カンファレンス参加の支援
- ドキュメント化推進
- 1on1による経験学習の促進
これらひとつひとつ詳細を説明していくと長くなりますので今回のブログではご紹介しませんが、ウェビナーのアンケート結果で、リモートワークでどのようにコミュニケーションを促進しているかを知りたいというご意見も多数いただきました。今後ウェビナー等で詳細をご紹介していければと考えています。
DevOpsのツール導入について
DevOpsツール導入は本質的な問題ではないと書きました。しかし、ツールのみの導入に意味がないとは言いません。
例えばバージョン管理ツールやCI/CDなどは、これから新規で立ち上げるようなソフトウェア開発プロジェクトであれば基本的には導入しておくべきでしょう。
ツールの導入については弊社でもサポートできますので、お問合せフォームにてお気軽にご相談いただければ幸いです。
今後のウェビナーにもご期待ください!
今回のウェビナーは、内容としてまだまだ整理しきれていない部分もありましたが、私の思いとしては、僭越ながら日本のソフトウェア開発を少しでも良くしていきたいという思いで今回のウェビナーでお話しさせていただきました。
質問タイムでは、想像していた以上にたくさんの貴重なご質問をいただきました。またアンケートにも多数ご回答をいただきました。参加いただいた方々、誠にありがとうございました。
質問タイムでは、質問に追われてしまってひとつひとつの質問にあまりしっかりと答えられなかったのが反省点です。今後何かしら改善していきたいと考えています。
MMMでは今後も継続して様々なウェビナーを開催予定です。
MMMクラウド勉強会にご参加いただければ、ご案内メールが飛びますので、ぜひご登録いただければ幸いです!