KPTふりかえりをファシリテートするときに意識していること
こんばんみ、下條です。
弊社では何個かのプロジェクトでKPTふりかえりを実施しています。3ヶ月ほど回してきて、かなり機能していると思っています。今のところはだいたい私がファシリテーターを担当しているのですが、今回のブログではKPTふりかえりをファシリテートするにあたって意識していることを書いてみます。
KPTふりかえりの実施方法
KPTふりかえりについての説明はいろいろな場所に情報があると思いますので省略いたします。
現在のところKPTふりかえりは以下の流れで実施しています。
- 各プロジェクト週一回、毎回30分実施。
- ふりかえり前にProblemを洗い出しておいてもらう。
- 振り返り時にはまずTryのアクションでKeepに移せるものを移す。
- Problemに対するTryを考えていく。
Tryを考えるとき精神論的な解決策に頼らない
- ○○に気をつける。
- ○○を意識する。
のようなTryは簡単に思いつくものです。しかし人間は忘れます。一時的に気をつけようと思ってもすぐに忘れますし、新たに入ってきたメンバーはそもそも気をつけること自体を認識できません。したがって、こういった精神的論的な解決策は可能な限り採用せず、システマチックな解決策を考えていくようにします。
Tryを考えるときチェックリストでの解決に頼らない
前の 精神論的な解決策に頼らない
ことに気をつけると、ついつい安易にチェックリストを増やしてしまうことも起こりえます。
しかしチェックリストを増やすのは簡単なので、意識しないとすぐにチェックリストの項目が増えます。そしてその結果、
- チェックリストをチェックする時間が取られるようになっていく。
- その結果、実質皆が無視するようになり意味をなさなくなる。
のいずれかになってしまうケースが多くあります。したがって、できるだけチェックリストに頼らない解決策を考えてみることが大切です。
問題の本質を考えるきっかけを作る
KPTふりかえりの前にはメンバーに問題を洗い出してもらうようにしています。その際にはとりあえず思いついたものを挙げてくださいというスタンスにしていますので、KPT振り返りの場ではその問題について意図を確認し、
- それは本当に解決するべき問題なのか
- より深い問題が潜んでいないか
など、問題自体について考えてみることも大事なことです。
隠れている問題に気づく
KPTふりかえりで議論をしていると、誰かがポロッとさらなる問題をつぶやいたり、隠れていた問題があぶり出されるヒントが出てきます。そこをしっかりと汲み取り、すぐにProblemに入力することを心がけています。
精神論的な解決策に頼らないと書いた後でアレなのですが、問題に敏感になることは非常に大事なことです。
メンバーの意見を引き出す
KPTふりかえりではメンバーの意見が非常に大事です。一人では解決できないような問題でも皆が様々な意見を出し合うことで解決案がでてくるものです。したがってまずは意見が出やすい雰囲気作りをすることを心がけています。特に気をつけていることは、
- 意見を尊重し、単なる否定はしない。
- みんなに疑問を投げかけることで考えるきっかけを作る。
- 楽しい場とし、意見が出やすくする。→ここ重要。
まあ要するに、活発な議論ができる場とすることです。
時間を区切る
問題が多くなってくると、ついつい議論の時間は延びがちになります。上限を30分とすることで、スピーディーに議論できるようにしています。30分で解決できなかったものは翌週に持ち越すか、重要なものであれば別途協議の場を設けます。
ボードはあまり適当に書きすぎない
弊社はリモートワークであり、物理的なボードを共有してKPTふりかえりをすることはできないので、miroというWebサービスを使ってボードを作っています。
KPTふりかえりの場では話し合いに時間を使いたいため、ついついボードの記入を殴り書きにしてしまいがちなのですが、次回に見直してみるとこれはどういう話なんだっけということがよく起きてしまうので、KPTふりかえりが終わった後、多少ボードを整理しておくことが必要と思います。
今後の課題
先に書いたように、複数プロジェクトで別々にKPTふりかえりを実施しているのですが、プロジェクト共通で抱えている課題およびその解決策の共有があまりできていない状況であり、何かしらの取り組みを考えていきます。
まとめ
KPTふりかえりは業務改善をする上で非常に有効な取り組みであるほか、改善がされていることをメンバー各自が感じられるというのはやりがいもあるものです。今後もさらに機能するよう改善を進めていきたいと思います。
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