AWS re:Invent 2018で個人的に気になった新サービス・機能
おかげさまでオン・オフ問わず忙しく、趣味であるサックスの練習時間が全く取れないのが最近悩みの MMM代表 国本です。
2018年11月26日〜11月30日の期間でAWS最大のカンファレンスである『AWS re:Invent 2018』が開催されましたね。
今年も多種多様な新サービスや機能拡張が数多く発表されましたが、今回のブログではre:Invent 2018で発表された中から「実際のプロジェクトで、即時に利用・活用できそう」という観点から、個人的に気になった機能・サービスを幾つかピックアップしてみようと思います。
AWS Transfer for SFTP
Amazon S3へのアクセスをAPI経由ではなく、SFTP(SSH File Transfer Protocol)でアクセスでき、かつ権限はIAMで制御できるように。(SFTPサーバのフルマネージドサービス)
S3で静的ウェブサイトをホスティングした際、GitやCIを使ったビルドやデプロイ処理を自動化できない場合、S3-APIに対応したツールをコンテンツ運用者に利用してもらう必要がありましたが、汎用プロトコルであるSFTPを用いて、S3へのアクセスが可能となった為、コンテンツ運用における利便性の向上が期待できそうです。
AWS Transit Gateway
複数のVPCや、ハイブリッド・クラウドにおける拠点間をよりシンプルに相互接続できる新サービス。
現状(2018年12月時点)Direct Connectは未サポート、かつ東京リージョンは準備中とのことですが、AWS Transit Gatewayを設けて、ハブ&スポーク型のネットワークを構成することで、仮に複数のVPCと相互接続が必要なアプリケーションでも、多数のVPCピアリングを設定すること無く、AWS Transit Gateway経由でシンプルなネットワーク構成が組めそうです。
きっと近い内?にDirect Connectもサポートされるでしょうから、ハイブリッド・クラウド構成時にも大いに活用できそうなネットワークゲートウェイサービスですね。
AWS IoT Events
AWS IoT CoreやAWS IoT Analyticsと連携し、収集されたIoTデータ群に対し、イベントを定義して、if-then-else形式でアクションや通知を実装できるIoT関連の新サービス。
MMMでも来年から本格開発に入るIoTの新規事業プロジェクトで、AWS IoT Core上のルールアクションとLambdaを活用し、ある程度複雑なビジネスロジックを実装予定ですが、このAWS IoT Eventsを活用することでよりシンプルな設計・実装を行い、コード実装の工数を削減できないかと画策し始めています。
Amazon DynamoDB Transactions
とうとうDynamoDBで、同一アカウント・リージョン内の複数テーブルに対して、トランザクション機能がAWSネイティブとしてサポートされました。
MMMでもサーバーレスアーキテクチャベースのシステム開発プロジェクトが増加し、DynamoDBを活用するケースが増えていますが、このトランザクションサポートによって、今後さらにDynamoDBを採用できるシーンが増えるのではと考えています。
早速、弊社エンジニアの内山が DynamoDBのトランザクション機能を検証してみた でブログをアップしていますので、ぜひ御覧ください。
Shared VPCs
複数のAWSアカウントで一つのVPCを共有できる新機能。
VPC上で稼働させるシステム仕様や制約上、単一VPCに各種AWSリソースを配備したい場合でも、利用コストは厳密に分離したいケースなどにも有効活用できそうですね。
Amazon FSx for Windows File Server
SMBプロトコルとActive DirectoryをサポートしたフルマネージドのWindows向けファイルサーバーがリリースされました。
現時点(2018年12月)では、まだ東京リージョンで利用できないようですが、AWSで可用性やS3へのバックアップをネイティブにサポートしたWindows向けの共用ファイルストレージがリリースされたため、今後ハイブリッド・クラウドでのファイルサーバー移行では有力な選択肢となると考えています。
AWS Marketplace for Machine Learning
AWSマーケットプレイスで学習済みのアルゴリズムとモデルが提供されるようになり、ビジネス用途に適合したモデルがあれば、独自開発せずにそのまま活用することが可能に。
既にかなりの数がラインナップされており、実際のプロジェクトでも活用できるカテゴリーのアルゴリズム・モデルがありそうなので、じっくりと調べてみたいと思います。
AWS Outposts
AWSのクラウドを、なんとオンプレミスへ持ち込めるというインパクト大な新サービスが発表されました。
AWSがハードウェアをデザインし、AWSのデータセンターで稼働しているものと同等のものを、そのままオンプレミスへ持ち込み「VMware Cloud on AWS」or「AWSネイティブ」のいずれかを選択して稼働できるとのこと。
「VMWare Cloud on AWS」がオンプレミスでそのまま動くというのもびっくりですが、個人的には何よりも「AWSネイティブ」の稼働方式において、実際にどのAWSサービス群が利用できるのかというのが非常に気になります。
AWS Outpostsによって、アプリケーションコードの変更不要で、文字通りオンプレミス・クラウド両環境でシームレスにワークロードを実行できるというのが現実味を帯びてきた感もあり、衝撃度Maxですね。
Ruby Support for AWS Lambda
LambdaファンクションをRubyで書けるようになりました。
MMMではNode、Python、Goで実装するケースが多いのですが、選択肢が広がるのは嬉しいですね。
他にも数多くの新サービスが発表されており、我々のチームでも、今回発表された新サービス群をお客様へのビジネス価値に繋げ、より付加価値の高いソリューションをご提案できるよう、早速検証を進めております。
これらAWS新サービスを活用したビジネス立ち上げや、システム開発などに関するご相談などございましたら、株式会社MMMへのお問い合わせ・ご相談からお気軽にご連絡くださいませ!