「たのしいインフォグラフィック入門」を読んで
最近妖怪ウォッチにハマりつつあって、「ねえねえジバニャン!」「コマさんおはよう!!」などと友達を適当に妖怪名で呼び始め、着実にウザがられている堀川です。
今回は、以前から興味がありいつか勉強したいなと思っていた分野「インフォグラフィック」についての入門書的な書籍を読んでみました。
##「インフォグラフィックって?」
「ピクトグラム」×「ダイアグラム(図解)」=「インフォグラフィック」
ピクトグラムと図解を組み合わせて、複数のデータをわかりやすくビジュアル化したものをいいます。
どんなときに使われるかというと、たとえば会議の資料や、パワーポイントなんかでその項目で伝えたいことをわかりやすくしたイラスト(=ピクトグラム)と、データに基づいたグラフ(=ダイアグラム)と…みたいなものがあったりしますが、あれもインフォグラフィックの一つです。
##「ピクトグラムって?」
ではピクトグラムってなんでしょうか?具体例としては、トイレの男子女子のマークや、車いすのマーク、日本で最も知られているピクトグラムは「非常口」のグリーンのマーク。(非常口のピクトグラムがその代名詞ということで、あの逃げている棒人間を「ピクトさん」と最近は呼ぶほどです)
これらのように、文字を書かずとも見た人に意味がわかるようなものがピクトグラムです。
そのピクトグラムと、図解を効果的に組み合わせて、明確に伝わるかたちに視覚化したのがインフォグラフィックです。
何ページにもわたる文章や膨大なデータすべてに目を通すのは、とても時間がかかる上に難解で、受け取り手の解釈によっては「ムダなデータ」になってしまうこともあり得ます。そのバラバラでどこになにがわからないデータの一つ一つをビジュアルの力で結んでいくのがインフォグラフィックです。またそれは、一枚ですべての情報を伝えるものではありません。地図にも、世界地図、日本地図、市街地図などあるように、シーンに応じて適切な縮尺でビジュアル化していくのです。
##「インフォグラフィックを作るために。」
インフォグラフィックを作るためには、具体的にどんなスキルが必要なのでしょうか。
グラフィックなので、最終的な仕上がりを左右するのはもちろんデザイン力です。しかし、かっこいいだけではなく複雑な情報をわかりやすく視覚化しなければならないので、情報の取捨選択するための解析能力が不可欠です。また、その解析したデータを整え、どのようなストーリーで伝えるのか決めるための編集能力も求められます。
このデザイン力・解析能力・編集能力の3つが制作に必要な基本能力だといえます。
##「どんなときに使うの?」
インフォグラフィックの活用領域は大きくわけて2つあるようです。
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説明用途
目的地までの行き方(路線図や地図)、プレゼンテーション資料などがこれに属します。
地図などはユーザーを正解へ導かねばなりませんし、資料なんかは未自慰会時間で相手に納得してもらう必要があります。そのためには、無駄のない説明が必要です。グラフや図表だけではしっくりこないような複合的な内容をインフォグラフィクで表すことができれば、説明を助けてくれます。 -
広告・PR用途
ウェブサイト、SNSなどで企業が発表するものがその例です。
画像といっても製品画像くらいしかなかったものが、インフォグラフィックを用いることで、コンテンツのオリジナリティと多様性が増します。
内容のわかりやすさや興味を惹く親しみやすさが求められるのは、説明用途の場合と同様です。
##「ウェブにおけるインフォグラフィック。」
従来の活用と比べ、ウェブで活用する場合は広告・PRを意識したつくりになっているようです。たしかに最近のインフォグラフィックには必ずといっていいほどブランドロゴとサイトURLが盛り込まれていますよね。URLがないと、もっと詳しく知りたいと思ったときにどこに行けばそれが手に入るのかわかりませんし、ブランドロゴがないとその画像がたくさんシェアされたとしてもオリジナルはどこなのか伝わりません。画像が一人歩きする現代では必要な要素です。
しかし、電車の中刷り広告のように、ダイレクトに宣伝するわけではありません。むしろ宣伝色は抑えて資料としての価値を受け手に見出してもらわなければなりません。その上で「この画像いいね!シェアしたい!」と思ってもらい、企業や製品のイメージを浸透させることを狙うのです。
学生時代に少しだけ講義を受けた「インフォグラフィク」。
そのときは「ピクトグラム」を主軸にした講義だったのですが、とても興味深いものでした。
わかりにくい情報を整理して視覚的にまとめ、相手に伝える…これはグラフィックデザインにおいてユーザビリティの最たるものだと私は思います。この本を読んでみて感じたのは、実際にインフォグラフィックをデザインする機会はなかなかないにしても、この制作フローを知っておくことで、すべてのデザインに活かせると感じました。
そのモノをよく理解し、情報を整理し、ユーザーにそれが伝わるようにビジュアルにおとしこみ、尚かつデザインとして優れているものを作る。これはロゴデザインやバナー制作に求められることとそのまま重複しています。ユーザーの目線にたって考えることは、私に最も必要なスキルの一つであり、デザインするにあたって常に付いて回るルールだと思いました。