エンジニアが提案活動に挑戦して学んだスライド作成のプロセス

提案活動に挑戦した理由
前職でエンジニアとして働いていた際、アプリの改善に対する想いはありながらも、企画部署との距離が遠く、自身の提案力も不足していたため、行動に移せないことに課題を感じていました。エンジニアとしてお客様への提案活動が遠い存在だったことが、私の中で大きな問題となっていました。
この経験を通じて、技術的なスキルだけでなく、より良いサービスを形にするための提案力を身につける必要性を強く感じ、DWSへの転職を決意しました。DWSでは、手厚いサポートと挑戦を後押ししてくれる環境が整っており、入社間もない私が「提案活動をしたい」と話した際にも、周囲から「ぜひやってほしい」と快く背中を押してもらえました。
このような環境の中で、自身の提案を形にする挑戦ができていることに、大きなやりがいと成長を感じています。
今回は、その挑戦させていただいた提案活動で学んだ資料作りのプロセスについて自分なりにまとめてみましたので紹介します。
スライド作りの前段階
ビジネスの現場では、スライド作りは単なる資料作成以上の意味を持ちます。特にお客様に提案する際は、スライドの内容や構成が相手の印象や意思決定に直結します。そのため、スライド作りにはしっかりとした準備とプロセスが必要です。今回は、スライド作りの具体的な手順と、その中で得た学びについてまとめてみます。
スライド作成に取り掛かる前に、まずは以下のステップを実施することをお勧めします。
- 最終目的を考える
スライドを通じて「お客様に何を伝えたいのか」を明確にすることが最も重要です。さらに具体的には、お客様からどのような反応や言葉をもらいたいかを意識します。 例えば、- 「この提案、ぜひ導入したいですね!」
- 「すぐに次のステップに進めましょう!」 など、理想的なコメントを想像し、そのためのメッセージを逆算して考えます。
- ストーリーを作成する
次に、プレゼン全体のストーリーを口語ベースで組み立てます。まずは形式にこだわらず、頭の中に浮かんだ流れを自然な言葉で書き起こしてみましょう。その後、以下の流れを意識して内容を修正します。- 現状分析
解決すべき問題の現状を客観的に描写 - 問題提起
現状に対する問題を主観的に描写 - 安心安全
状況を変えるために具体的な解決策を提案(又は代替案など) - 行動回帰
提案が受け入れられた場合、受け入れられなかった場合の行動を選択
- 現状分析
- ストーリーのブラッシュアップ
各ストーリーに対して、「自分だったらどんな点が気になるか」を考えながら突っ込みを入れます。このプロセスを通じて、ストーリーの弱点を補強します。ここまで準備が整ったら、他者からフィードバックをもらうのがポイントです。別の視点からの意見が新たな改善点を導いてくれます。 - アジェンダとスライド見出しを作成
スライドを本格的に作る前に、アジェンダと各スライドの見出しを用意します。この段階にしっかり時間をかけることで、後の作業がスムーズに進みます。 - 内容を紙に書き出す
実際のスライド作成に移る前に、各スライドに書く内容を紙に書き出します。この方法は非常に有効だと考えています
理由としては、下記のとおりです。- 集中力の維持:PC上で作業すると通知や操作に気を取られることが多い。
- デザインへの意識を排除:スライド作成ソフトを使うと、ついデザインに時間を割いてしまう。
スライド作りのプロセス
事前準備を終えた上で、スライド作成を行った際に学んだことについてまとめます。
スライド作成は次の手順で作成していくとクオリティが高く仕上がると感じました。
- 各スライドの骨組みを作成
まず、考えたスライド見出しに沿って、スライドごとに記載する内容をボックスなどだけを利用して記載する。この段階では、文字だけを分類することに集中し、デザインや色付けは無視します。
→この段階で一度フィードバックをもらうと良い! - 文章を埋める
各スライドに文字を記載します。このときもデザインは意識せず、すべて白黒で記載します。表題に対して必要な情報をしっかり埋めることに集中します。文章が書けたら、スペルチェックや文章校正を行います。
→ここでもフィードバックをもらう! - 全体をブラッシュアップ
配置を調整しながら、文字を修正します。これを繰り返しながら全体の流れを確認します。 - デザインを整える
最後にデザインと色付けを行い、完成形に仕上げます。この段階では、視覚的なインパクトや見やすさを意識します。
学んだこと
このプロセスを通じて学んだ次のことは、これからの提案活動に役立つ重要なポイントだと考えています。
- お客様に自分ごととして捉えてもらう工夫
初稿では一般的な内容になりがちですが、お客様にとっての具体例や変化のイメージを加えることで、提案にリアリティと説得力が生まれます。 - デザインは最後に行う
色付けやデザインに気を取られると、本質的な内容の構築に集中できません。デザインはあくまで最後に仕上げとして行うのが効果的です。 - 紙ベースでのドラフト作成
PC上で作業すると集中力が分散しがちです。紙に内容を書き出すことで、思考を整理しやすくなります。 - 想定される質問と回答の準備
お客様からの質問を予想し、適切な回答を事前に用意することで、提案の場での対応力が向上します。 - 提案のステップを意識する
提案は1回で完了する必要はありません。次のように段階的に進めることで、より効果的な提案が可能になります。- 1回目:提案内容の雰囲気を掴んでもらう。
- 2回目:興味を持ってくれたら、具体的な数値や事例を交え、当事者意識を持ってもらう。
まとめ
スライド作りは、単なる作業ではなく、提案を成功に導くための重要なプロセスです。目的を明確にし、ストーリーを磨き上げ、最後にデザインを整えることで、効果的なスライドを作成することができます。今回ご紹介した手順を活用し、次回の提案資料作成にぜひ役立ててみてください!