アジャイル・スクラム開発の作業見積(補足編)

miyatan

ごあいさつ

DWSのみやたんでございます。

前回冒頭でお伝えした、スクラムマスターとしての立て直しプロジェクトも、利用開始に向けた製品報告とデモンストレーションが無事うまくいきました。

残っている対応や優先度を見直して、引き続きリリースに向けて頑張っていきたいと考えております。

私の投稿するブログでは、定期的にスクラムに関連する記事を作成していこうと思います。

スクラムにつきましては、以前に記事を作成しておりますので、「スクラムって何?」という方は、ぜひ以前私が掲載した記事をご覧ください。

前回はアジャイル・スクラム開発の作業見積(実践編)をご紹介させていただきました。

今回は、アジャイル・スクラム開発の作業工数見積(以下、「作業見積」といいます)の「補足編」として、社内で試した手法や作業見積の補足情報をまとめてみようと思います。

前回記事のおさらい

前回の記事でアジャイル・スクラム開発の作業見積の実践方法をご紹介させていただきました。
より詳細な情報を確認したい方は、実践編の紹介ブログをご覧ください。

補足編として、今回は見積を実施した際に出た疑問や、社内でも発生したことを一問一答形式で記載します。

チーム体制や会社、プロジェクト方針によって異なる部分はあると思いますが、本記事が方針決定の参考になれば幸いです。

 1.見積基準に関すること
 2.作業見積手法に関すること

 1. 見積基準に関すること

  1. 基準作業はどのように決めるべきか。

    • 見積を行なう開発者全員で理解ができる作業を基準とする。
    • 具体的な作業詳細や完了定義をわかりやすく記載する。
  2. 基準作業は複数あってもよいのか。

    • 複数あっても良いと考える。
    • 開発者の能力も様々なので、複数あった方が理解がしやすい。
    • ただし、各基準作業が相対的に誤っていない(整合性が取れている)ようにする。
  3. 基準作業の大きさをどのくらいにするべきか。

    • スプリントのタイムボックスと比較して、バランスを取る必要がある。
    • 想定される作業タスクをざっくり大、中、小みたいに分類してみて、中くらいのタスクを3から5pointで「基準作業」としてみる。
    • この「基準作業」が小さすぎると、それよりも小さい作業が発生した時に、pointに小数点を使ったりで煩雑になるので管理が複雑になりお勧めできない。
    • この「基準作業」が大きすぎると、より小さい作業の見積がやりづらくなり、こちらも管理や見積効率低下につながりお勧めできない。
  4. 基準作業は途中で変更してもよいのか。

    • 変更した方が良いと考える。
    • 作業が進み、より理解しやすい作業が登場したら、それを「基準作業」とした方がよい。
    • ただし、最初に決めた「基準作業」と相対的にpoint比較して整合性がとれるようにする。

2. 作業見積手法に関すること

  1. 見積はなるべく全員でやるべきか

    • 全員でやるべき。一人で決めると誤りや属人化につながる。
    • 特に最初のうちは全員で実施する。スプリントを重ねるにつれて、作業の数量が増えてきたら人数が多い場合は、分散して実施することも考える。(ただし、一人ではやらない。)
  2. 全く専門外の領域を作業見積する場合は開発者を有識者のみに厳選すべきか

    • 非常に難しいが、できれば有識者では無い開発者も含めるべき。
    • チームとして行動するため、なるべく属人化を発生させないのが望ましい。
    • 見積する前に有識者に作業内容を細かく聞いて、詳細条件や受入条件を十分に詰めることで、理解が進んだり見積漏れを防ぐことができる。
  3. 作業見積はいつやるべきか

    • 開発者と相談しながら、次スプリントまでに準備する。
    • スプリントプランニングの前までに集中して時間を取っても良いし、日毎に時間を決めて短く実施していくのも良いと考える。
  4. 開発者全員の作業見積ポイントが一致するまでやるべきか

    • 最初のうちは認識齟齬を減らすため取り入れても良いが、基本は一致するまでやるのはやりすぎと考える。
    • 作業見積がお客様の価値につながるわけでは無いので、なるべく速やかに実施する。
    • 作業見積実施しないと、想定している作業内容の齟齬やスプリント内の目安が示せない。
  5. 見積後の作業ポイントもフィボナッチ数列で管理すべきか

    • 作業見積後に割り当てるポイントはフィボナッチ数列ではなくて良いと考える。
    • フィボナッチ数列で作業見積をするのは人が相対的に大小を判断しやすくするため。
    • その後の作業平均値を出して割り当てる場合、フィボナッチ数になっていなくても問題ない。
  6. オンラインでも効率よく作業見積するポイントがあるか

    • オンライン会議用のツールで会話しながら対応する。
    • バックログを管理するツール上で同時にできればそこで実施。
    • 無い場合は、複数名で利用できる表計算ソフトで開発者の考えたpointを入れる枠を作ってそこで見積をする。(平均値も即座に出せる。)

まとめ

今回は、アジャイル・スクラム開発の作業見積(補足編)をご紹介しました。

スクラムガイドにも詳細な手法は記載されておらず、しっかりスクラムチーム内で会話してそのチームで最適な方針で実施することが大事だと考えております。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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miyatan
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