アジャイル・スクラム開発の作業見積(実践編)
ごあいさつ
DWSのみやたんでございます。
前回冒頭でお伝えした、スクラムマスターとしての立て直しプロジェクトも、4スプリントほど回して関係者から高評価をいただけました。
ベロシティや開発効率も想定以上に伸びており、さらに加速させたいと考えております。
私の投稿するブログでは、定期的にスクラムに関連する記事を作成していこうと思います。
スクラムにつきましては、以前に記事を作成しておりますので、「スクラムって何?」という方は、ぜひ以前私が掲載した記事をご覧ください。
前回はアジャイル・スクラム開発の作業見積(理論編)をご紹介させていただきました。
今回は、アジャイル・スクラム開発の作業工数見積(以下、「作業見積」といいます)の「実践編」として、進め方をまとめてみようと思います。
前回記事のおさらい
前回の記事でアジャイル・スクラム開発の作業見積の考え方をご紹介させていただきました。
より詳細な情報を確認したい方は、理論編の紹介ブログをご覧ください。
具体的にこれらをどのように実現するかを次章より記載します。
- アジャイルな作業見積のポイント
- 時間を見積もらない。
- 実際に作業をする人が見積もる。
- 作業見積を1回だけで終わらせない。
- 上記作業見積戦略を取る理由
- 対応速度が要求される。
- 要求(需要)は日々変化する。
アジャイルな見積の実践「見積ポーカー」
今回は、作業見積時によく利用されている実践方法を紹介します。
手法として見積ポーカー(プランニングポーカーなど)と呼ばれる方法があります。
こちらの実践方法を記載していきます。
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見積ポーカーとは
相対評価(作業量の比較)で見積もる手法を指します。基準となる作業(基準作業)を一つもしくは複数決めて、その作業と比較して、相対的に大きいか小さいかで見積をしていきます。 -
見積ポーカーの進め方
- 見積を行なう参加者全員で「基準作業」を決める。
- 「基準作業」についての作業量を数字で「3」「5」などで決める。
- 見積をする作業内容詳細と受入条件を参加者で確認する。
- 「せーの」の掛け声で、全員同時に「基準作業」と相対的に比較して、作業量として適切と考える数字を出す。
- 同時に出した数字が近ければその平均値を取得して完了。
- 同時に出した数字が大きく離れていれば、その理由を話し合ってもう一度実施。
見積ポーカー実践留意点
上記に記載した見積ポーカー実践の留意点をまとめます。
- 相対見積に使う数字
- 一般的に”フィボナッチ数”というものを使う。
- ”フィボナッチ数”は、「1,2,3,5,8,13,21,34...」と隣り合う数字の合計を並べた際に出る数字を指す。
- ”フィボナッチ数”が相対的な見積に向いており、隣り合う数字の間隔が人にとって区分しやすいという特徴がある。
- 「基準作業」や参加者が一斉に出す数字は”フィボナッチ数”で行なう。
- 「基準作業」のポイントの決め方
- 参加者がわかりやすい作業を選定すると良い。
- 複数の「基準作業」を作る場合は、各「基準作業」の作業量が必ず相対的に誤っていないかを確認する。
- 「基準作業」は、大きすぎず小さすぎない作業量を設定する。
- 同時に示したカードはどの程度差で完了としたら良いか。
- 全員の数字が連続する3つの数に収まっていれば完了としたい。
- 例として「2,3,5」「5,8,13」など。
- 収まっていなければ最大と最小の参加者から示した理由を聞いて、もう一度ポーカーする。
- もう一度実施しても、収まらなければ最大値と最小値を除外し、残った数字の平均値を取得して完了とする。
- 上記のルールは、プロジェクトや組織のルールによって調整する。
まとめ
今回は、アジャイル・スクラム開発の作業見積(実践編)をご紹介しました。
次回はもう少し上記手法の補足やDWS内で試した手法について、「補足編」としてまとめていきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。