メーカーのスケジュールとマネージャーのスケジュールの調整方法
みなさんは、メーカーのスケジュール・マネージャーのスケジュールという言葉をお聞きになったことはありますでしょうか?
出典はPaul Graham氏のブログ記事: MAKER'S SCHEDULE, MANAGER'S SCHEDULE で、ミーティングのスケジュールについて普段ぼんやりと感じていた問題が言語化されているな、と感じました。2009年とかなり昔の記事ではありますが普遍的な内容と思います。この記事を読んだことで考えを整理するきっかけになったのでまとめてみたいと思います。
メーカーのスケジュール・マネージャーのスケジュールとは?
メーカーはエンジニアやライターなど、モノを作る作業を行う人たちを指し、マネージャーはメーカーに指示を出したり、管理する人たちを指します。
Paulによると、マネージャーの作業のスケジュールが1時間単位であることが多いのに対して、メーカーは少なくとも半日単位で作業をすることが好ましく、1時間だけではかろうじて仕掛け始められる程度でしかない。しかし組織全体のスケジュールはマネージャー(1時間単位の)を元に組まれがちで、もしミーティングが断続的に発生するとメーカーの集中力や作業効率に様々な悪影響を及ぼすということです。メーカーのスケジュールにとってミーティングは例外送出のようなもの、とまで書いており、さすがに言い過ぎな気がしますが面白い例えですね。
スケジュールの調整方法
2つのスケジュールの基本的な調整方法としてはできるだけミーティングの時間を夕方以降にセットし、日中はメーカーがまとまった時間を取れるようにするというものです。
しかし、現実的にメンバーが集まりやすい時間帯は日中であることも多いです。そもそもミーティングやその他の予定の数が多く夕方以降のみでは賄いにくいという場合もあります。(弊社では社内勉強会を夕方に開催することが多く、これも重要な活動と捉えているので動かしにくいです)
また、外部のステークホルダが出席するミーティングの場合は柔軟に調整することは難しいでしょう。
また、あまりオススメできないですが割とやってしまいがちなのが、日中は1時間単位の作業に終始し、夜中に実装などを一気にやってしまうというスケジューリングです。(Paulは創業当初に日中と夜間でそれぞれメーカーとマネージャーとしての役割を切り替えて仕事をしていたとも書いてありますね)
スケジュールの調整以外の対処方法
調整するのは現実的に難しいとなった場合、どう対処するのが良いでしょうか?
以下のような手段が考えられます。
ミーティングを必要十分な内容にする
アジェンダをはっきりと定義してミーティングを開始する。
そしてアジェンダの目的が達成完したなら速やかにミーティングを終了します。
本当に必要なメンバーのみ招待する
常にプロジェクト関係者全員の参加が必要とは限りません。ミーティング以外で非同期に情報を伝えられる手段(ドキュメントなど)があり、それで十分と考えられるなら積極的に活用します。
自分があまり価値を出せないと考えるミーティングに参加しない
これは勇気の要る選択肢になります。呼ばれているのに参加しないというのは主催者の心象を悪くしてしまう可能性もあります。一言参加しない理由を伝えてからであれば問題は無いと思いますが、少し心理的なハードルが高いです。今はこの重要な作業に集中すべきと考えており、より価値が出せるはずだ。という意志をメンバーに伝え、理解してもらう必要があります。
ミーティングの質を可能な限り高める
メーカーのスケジュールへの影響は止む無しとし、なおミーティングを開いているのだということを各自が改めて強く意識します。本当に実のあるミーティングができるなら、補って余りある価値を生み出せるはずです。
最後に
メーカーのスケジュールとマネージャーのスケジュールについて、いくつかの調整方法・対処方法を紹介しました。完全に解決できる方法は無さそうですが、メーカー、マネージャーそれぞれがこの問題があることを認識し、意識することを継続すべきと思います。