CrowdWorksにおけるコンペで採用するために頭に置いておくべき基本的なこと
友達に似顔絵を頼まれて、それを何の気なしにinstaにアップしたところ「僕も私も」と芋づる式にどんどんと頼まれまくり、すこーし美形にしながら頑張って似せるというような 媚びた似顔絵描きをしている堀川です。
ここ数ヶ月、CrowdWorksを使ってロゴデザインのコンペに挑戦しています。
最初は単独で応募しつづけていたのですが、なかなか難しく社内でレビューをしてもらいながら作りつづけていました。
それでも結果に結びつけることができず、社内でもその当時はエンジニアの人にしかレビューをお願いできない状態でしたので、デザイン職の方にもっと具体的なアドバイスや指南を密にしてもらえる環境をつくった方がいいのでは?との理由から、服飾学生時代の恩師であるイラストレーターの先生に、専属レビュアーとしてコンペの作品を見ていただくことになりました。
ここでは“先生”とさせていだきますが、そのレビューの中で先生からいただいた指摘や、デザインのコツ、コンペにおけるアプローチの仕方などを今回は書いてみたいと思います。
ロゴの役割
イラストやアートと違って、ロゴは「文字を正しく伝える」ということが重要です。いくらポップなデザインであっても「読める」「伝わる」ということが不可欠です。文字列だけのロゴは、その読めることをキープしながら個性を入れたりデザインしていかないといけないので、その兼ね合いが難しかったりします。
また、ショップロゴならその店、ブランドならそのブランドの色を入れたりしなければならない場合もあります。文房具屋さんのロゴだから文字の一部を鉛筆にしてみよう、という単純なものでも、どこにどう入れるのか?が重要ですし、印刷物に使われることを考えると、縮小したときちゃんと鉛筆に見えるのか?など気をつけなければならない点はたくさんあります。私がよく先生に指摘されるのは、「このデータ上だとキレイに見えるけど、実際に使うときこの線は細すぎる」というもので、イラレのアートボードの中だけで視野いっぱいいっぱいにならず様々なシーンを想定して制作しなければいけませんし、また、そのモチーフが文字に入れづらいものだったりすると、ダイレクトに入れ籠むのではなく、なんとなくイメージさせるようなフォルムだったり配色で見る側に訴求しなければなりません。
そして、常に大前提として「読める」ことは忘れてはいけません。
コンペ特有の難しさ
私自身のグラフィック的なスキルや、デザインの知識がまだまだという点はもちろんありますが、
それ以外の要素も大きく重要になってくるのが「コンペ」の難しいところです。
とある失注案件へのレビューの際「他と歴然と差がある、とかではない。ゆえに埋没していないのに埋没してるようにみえるかもしれない。採用作品は色が他と確実に違っている。であっても、また別のクライアントになった場合、それが嫌みだと言われるかもしれない。顔の見えないクライアントとやっている以上はある意味“宝くじ”に近い部分があると思う。」と。
正直プロである先生が参加しても、ここですべてのコンペで採用されるのはムリだろうと仰っていました。
案件の詳細からクライアントの好みを掴んで提案することは当たり前として、クライアントの中でしっかりとしたビジョンがない場合(かわいいんだけどちょっと真面目な雰囲気で。色は黒がいいけどカラフルでもOKです。とか)選考基準が曖昧なため、「なんとなくカッコイイからこれ!」という感じで選ばれたりすることも多分にあります。
クライアントにそう思われる確率はもちろん技術と共に上がりますが、はまるかはまらないかはある意味宝くじ的に運まかせな部分があります。
宝くじに当たるために
前述のようにいい作品を作ることができれば採用の確率は上がりますが、その他にも戦略はあります。
それは、「アホみたいに出す」ことです。先生の実体験で「5点まで、というイラストの公募展にあえて200点ぐらい出した。主催側から異例の電話がきて、失格ですが審査員はおもしろがってました。と言われた。」ということがあるそうです。
CrowdWorksにおけるコンペでは、報酬額や色々な面から見てここまでの作品数は出せないのですが、ある程度の作品数を提案し、かつ幅を持たせることが必要です。
具体的なポイント
先生曰く、
- 凄くクライアントの言ってることを意識したデザイン
- 条件は意識しながらもその真逆のデザイン
- 上2つの中間のデザイン
最低でも3点は描いてみることが大事だそうです。
複雑で細かいデザインを出したら、もう1つはすごくシンプルにしてみるなど。一応私もやっていたつもりでしたが、その差が5くらいだとしたら、10くらい差をつけるテンションで、大きく幅をもたせることでクライアントの好みにひっかかる可能性はぐんと上がると言われました。
これ以外にも細かく気をつけることはたくさんありますが(私が見えている点以外にもたくさん)、クライアントという”的”に向かって、いろんな方向からいろんな種類の矢を、しかもよく刺さる矢を作って放つことで、ど真ん中に刺さる確率をあげていくことが、コンペには必要だと思います。
これからもっと知識と経験を増やし、ブル連発のデザイナーになっていきたいです。