オンプレミス(自社運用)環境をクラウドへ移行するときにありがちな失敗パターン

若い時(20代)は全く興味なかったのに、子供が生まれてから急にキャンプやバーベキューなどアウトドアの魅力にどっぷりハマっている代表の国本です。

モバイルアプリのバックエンドやフロント系のWebサービス以外にも、これまでオンプレミス(自社運用)で運用していた業務系のエンタープライズなシステムをAWSなどのクラウドに移行したいというご相談をお受けすることが最近非常に多いです。

このようにオンプレミスからクラウドへの移行を検討されている場合、新規にゼロベースでシステムを設計・開発する場合と異なり、既存の商用プロダクトや業務系のシステムをクラウド上で稼働させるような御希望が多く、必然的に商用プロダクトの移行サポートや現在開発に携わっている開発会社を交えてのプロジェクトとなりますが。

これまでオンプレミス前提でシステム基盤を長らく設計・構築されているシステムインテグレータや開発会社の場合、オンプレミス前提の設計方式をそのままクラウドでも適用しようとし、結果クラウド環境での最適化に失敗される例がかなり多く見受けられます。

そこで今回はオンプレミスで開発・運用してきたチームが、クラウドへ移行するときにありがちな失敗パターンをいくつかあげてみようと思います。

バッファを持たせたジャブジャブなスペックサイジング

オンプレミスでは物理サーバはもとより、仮にvSphereなどの統合的な仮想環境が存在していたとしてもシステム開発に携わる開発者が、アプリケーションを稼働させるサーバ環境のスペックを柔軟に変更させてもらえるような権限を持っている事は少ないかと思います。

よってオンプレミスでは、初期のサーバ構築の段階で、いきなり想定されるピークを見越したオーバなサイジングが行われる傾向があり、AWSなどのクラウド導入時にもそのようなサイジングを行っている会社がありますが、これはクラウドの大きなメリットである弾性とスケーラビリティを活かしておらず、コストを増加させている要因となります。

AWSをはじめとするクラウドでは稼働させるサーバのスペック変更を柔軟かつ迅速に行えるため、初期はミニマム構成でスタートし、負荷状況を可視化・確認しながら必要に応じてスペックを変更するという方法がお財布に優しくクラウドのメリットを享受できる運用です。

マネージドサービスを活用せず何でもかんでも独自実装

AWSを始めとするクラウドでは、オブジェクトストレージやリレーショナルデータベース(RDB)、キューイングの仕組みなど、システム構築で非常によく使われるコンポーネントやサービスの運用・管理を、クラウド事業側で担ってくれるマネージドサービスが多数存在します。

これらマネージドサービスを上手に活用することで、ビジネスのコア部分の開発に注力し、迅速にシステムを立ち上げることが可能ですが、オンプレミス前提の会社の場合、マネージドサービスを利用すれば作る必要が無い部分まで独自に実装し、開発コストはもとより、その後の運用コストを跳ね上げている設計を見ることがあります。

もちろん、マネージドサービスでは実現が難しいケースもあるとは思いますが、クラウドへの移行後の運用を見据え、マネージドサービスにて代替できる箇所は無いかという点をきっちり検討することが重要です。

ステートフル前提で物理ノード的な扱いを行う

オンプレ前提の設計の場合「動的にサーバを増減させる」「必要なタイミングでサーバを作って、不要になったら即時に捨ててしまう」というような概念にあまり馴染みがなく、クラウドへ移行する際も、この考えを引き継ぎ、サーバが永続的に存在しステートフル(状態を保持する)前提で設計されていることが非常に多いです。

クラウドの弾性を最大限に活用するためには、いつでもサーバを作っては捨てれるように、ログなどはストレージへ転送し、OSやミドルウェアのインストール・設定などは、Chefなどの構成管理ツールを用いて、ステートレス(状態を保持しない)を前提とする必要があります。

ステートレスな設計とすることで、オートスケールなどを駆使したクラウドならではのスケーラビリティや俊敏性を実現でき、よりクラウドのメリットを享受できるようになります。

クラウドへの移行をスムーズに、より素早く実現するために

オンプレミスで稼働しているシステムをAWSなどのクラウドへ移行するにせよ、新たにクラウド上でシステムを作るにせよ、オンプレミスの設計方式をそのままクラウドに適用することが最適解ではないケースは数多く存在します。

エンタープライズ環境のクラウドへの移行目的は、コスト削減、俊敏性(アジリティ)の確保、BCP(災害対策)実現など様々な狙いがありますが、これらの目的を達成するためには、AWSなどのクラウド特性とサービスを理解し、クラウドの弾性をフルに生かした設計・導入を図ることが非常に重要となります。

我々MMMは、これまでの経験と知見から、業務システムやWebシステムのAWSクラウドへの移行について、クラウドの弾性を生かした最適な御提案を行っておりますので、どうぞお気軽にご相談下さいませ!!

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