本を一冊も読破したことがなかった私が考える「読書」の持つ力
「本を最後まで読みきったことが、人生で一度もないです。」
そう私が言ったときの「まじかこいつ…」という上司たちの表情を未だに覚えております。
私は、24歳になるまで本をまともに読んだことのない人間でした。そんな私が最近やっと本を読む習慣を身につけ始めた私が、「読まない人」と「読む人」の間の視点から「読書」について考えてみたいと思います。
「本を読まない人」は「本を読む人」に比べて探究心が低い?
日常的に本を読む人からしたら、なぜそうなったのか理解できないようで、この事実を”カミングアウト”すると大抵の大人は眉をひそめます。「なんで読もうと思わないの?」と聞かれて私は初めて「確かに言われてみれば、なんでだろう…」とそのことについて疑問を持ちました。
この思考こそがまさに読まない人のそれで、「本を読むこと」について考えたこともないから読まないのです。だって考えれば読むはずです。私自身振り返っても、本を読まないで損することはあっても、得をしたり褒められたりしたことはありません。そして「本を読む人と読まない人の違い」について調べ、私は愕然としました。
「本を読まない人」は「本を読む人」に比べて探究心が低い
本を読まないことで、物事に対して「なんでだろう?」「どういうことだろう?」と疑問をもつ能力が低くなってしまうというのです。前述のようにそもそも探究心が少なく疑問を持つことがあまりないから本を読まないでいるのに、読まないことでさらに探究心が乏しくなってしまうとは大変なことです。
服を買いにいくために来ていく服がない以来の衝撃でした。読書にたどり着くための探究心がないということなら、読む人と読まない人の差はどんどん開いていくばかりです。
「本」である意味
最近はネットニュースやコラムサイトなども多く、読み物のフィールドがネットにも広がってきているのは事実だと思います。しかし、それで「私はネットニュースを見てるから新聞はいらない」「興味があったらggって調べられるから必要ない」というのはまた違うと思います。興味のある分野について書かれた本を買ったとしても、夢中で読み進める章と、あくびが止まらない章があります。でもネットニュースやネットコラムなどはテーマを絞って短くまとめられているのでそんなことも起きません。それはあくびが出ない代わりに、興味のない話題に触れる機会をなくしています。
またネットでggる場合も同様で、すでに欲しいと思っている知識へとまっしぐらです。素早く簡単に情報をゲットする面ではスマートですが、長いスパンで見たときに、知識の幅が狭まってしまうことにつながるのではないでしょうか。
今の時点ではいらないと思っている知識でも後々思いがけないところで役立つこともきっとあるので、本を読むこととネット記事を読むことを「読み物」として一緒くたにはできない気がします。
本にはバッテリーがない
当たり前ですが、本は充電しなくてもいつでもどこでも読めます。通勤通学の電車の中を見渡すと、ほぼ全員がスマホを手にしています。動画を見ているのかゲームをしているのか日経平均をチェックしているのかわかりませんが、移動する電車で通信していたらかなりバッテリーを消耗しますよね。「充電器あるから大丈夫」と言われたら身も蓋もありませんが、スマホから本に持ち帰るだけで、充電切れを心配することなく時間を有効活用できます。優先席付近でももちろん読めます。また、スマホになってからよく聞くのは「出先で充電きれちゃって、そこから死ぬほど暇だったよー」という声。本を一冊でもカバンに入れておけば暇で死ぬこともなくなります。
読まない人と読みすぎる人
本を読まなかった私自身が断言できるのは、読まないことは世界を狭めます。自分と違う考え方をシャットアウトしてしまうし、知識の広がりも圧倒的に狭まります。しかし、本を読みすぎるというのはまた世界を狭くするようです。
小さい頃から趣味:読書で、中学生の頃はもちろん図書委員。学校から「年間読書数 全校1位」と表彰された友人が「正直、知識が人よりある自覚があるから他人の意見を聞き入れないところがある。あと、頭でっかちなところがあって、行動に移せないことがよくある。」といっていました。これが本を読みすぎていることだけが原因かはわからないし、本人がそんな自分をわかっているから問題ではなさそうですが、何事もやりすぎはよくないのかもしれません。
まとめ
まだ本を読み始めて通算10冊目くらいの「読書ビギナー」である私ですが、本を読むということが習慣になってくると、普段の会話では使わないような言い回しや熟語を知れて単純に語彙力もアップしましたし、読むスピードもどんどん上がってきて前よりも効率よくインプットできるようになってきました。まだまだ軽めの本しか手を出せていませんが、日常の中に本を読む時間というものを持つことでわずかですがたしかに変化がありました。
半数近くの人が全く本を読まないという統計データがあるようですが、私の友人にも漫画と雑誌しか読まないという人は大勢います。「24歳まで本を読んだことがなかった」私でも、こんな人間でも読むことを好きになれることがわかったので、同じような人にも本の良さを伝えていきたいなと思いました。
また一方で、ネットでしかできない見せ方や伝え方があるのも事実なので、「ネット上の読み物」の質をもっと上げられるような提案を今後していけたらいいなと思います。