上司に叱られた2つの思い出
こんにちは、下條です。
これまで前職含め、たくさんの上司にお世話になってきましたが、今回はその中で上司に叱られた特に印象に残っている出来事を2つご紹介してみたいと思います。
言葉に気をつけること
新卒で入社後、私の最初の上司から指摘されたお話です。
当時、今日やったこと・明日やること・気づきなどを日報に書き、毎日上司に提出してコメントをもらっていたのですが、あるとき私は気付きとして以下のような文章を書いて提出しました。
「○○を勉強しなければいけないと感じた。時間を見つけて取り組みたい。」
これに対して思いがけず、上司から以下のような厳しいコメントをもらいました。
「時間は見つけるものではなく作るものです。言葉尻だけの話かもしれませんが、言葉尻にも気をつけるようにしてください。」
ここで私はハッとしました。「時間を見つけて」というのは実際のところ言葉尻の問題ではなかったのです。まあいつかやればいいや、という気持ちであり、それが言葉に表れていたのが事実です。
そのとき言葉は慎重に選ばなければいけないことを理解しました。特に文章にした言葉はずっと残るものです。そして言葉は独り歩きしていきます。あとで見る人はあくまでその言葉だけを見て判断するしかありません。
上司からのこの指摘をもらって以降、言葉を選ぶことを強く意識するようになりました。その後もいろいろと失敗はしてきましたが、普段から気をつけていると、自然と意識できるようになってくるものではあります。
最近、15年ほど前に書いた修士論文を読み返す機会がありました。内容はいろいろと専門分野の難しいことが書いてあり、正直今読むとわからない箇所も多々あります。しかし言葉の使い方という意味では、論文として稚拙な表現だったり、曖昧な表現だったりが今となっては目に付きました。言葉の使い方という意味では15年前と比べ、多少なりとも成長できているのかなと思っていますが、さらに精進していきたいと思っています。
広い視野を持つこと
ミドルウェアの開発をしていた前職で、お客様から仕様的な問題修正を要望されたときの話です。
私はお客様からの要望を踏まえ修正方法を熟考し、比較的大がかりな仕様・ソースコード改修を行い、上司に修正方針を伝え、ソースコードレビューを依頼しました。自分としてはかなり自信を持ってレビュー依頼を出したつもりでした。
しかし予想に反し、上司から激しく叱られてしまいました。
「お客様が本当に何を求めているのかきちんと考えたのか?こんなに大規模な改修は本当に必要なのか?これこれこういう仕様修正であれば、プログラムは少し直すだけでお客様が抱えている問題は解消できるのではないか?」
目からウロコでした。簡単にお客様が抱えている問題を解決してしまう見事な案だったからです。
当時の私には、「お客様から問題を指摘された。だからそれに従ってプログラムを直す」という単純な思考しかなかったのです。私の視野がいかに狭いものだったかを思い知らされました。上司はお客様側・開発側・工数的な側面など、あらゆる視点からものごとを見ていました。
これは自分の視野を広げてくれたという意味で非常に大きな出来事でした。
お客様から伝えられた文面や話をそのまま受け取り、言われた通りに対応する、それだけでは本当に良い仕事はできない場合が多々あります。お客様はどういう意図で言っているんだろう、目的は何だろう、なぜこれを言っているんだろう、熟考することは非常に大事なことです。
今回は、
- 言葉に気をつけること
- 広い視野をもつこと
について非常に大きな気づきとなった2つのエピソードをご紹介しました。
私自身もこれから人にいい影響を与えられるような言動をしていきたいと思っています。