チャットでのコミュニケーションの質を上げるコツ

おはようございます、下條です。深夜リリース作業が終わったところです。ちょっとトラブルもありましたが、久々の深夜作業は刺激的でいいものです。というわけでちょっと落ち着いたのでブログでも公開してみます。

弊社はフルリモートワークを採用しており、主なコミュニケーションツールはチャット (Slack) となっています。今回は仕事でのチャットベースのコミュニケーションにおいてコミュニケーションの質を上げる大事なコツについて、最近あった2つのあまり良くない実例を取り上げてまとめてみたいと思います。
なお、今回の話はチャットベースのやり取りに限るものではなく、仕事でのコミュニケーション全般に言えることではありますが、チャットベースだとより重要になるお話です。


相手の求めている答えを返す

最近、友人が書いたブログ記事就活生と若手へ。ぼくが勘違いしてたコミュニケーション能力の正体。に、コミュニケーションがうまく成り立っていない例として以下のやり取りが挙げられていました。

友人α「昨日晩御飯食べたー?」

友人β「うーんとね、ケチャップ焼きそばだったよ!」

これは敢えて非常に簡素化した極端な例ではありますが、良い例だと思います。
友人αが聞きたいのはあくまでYesかNoです。それに対して友人βはYes, Noをすっ飛ばして何を食べたかという聞かれていない回答をしています。

現実的には、 ケチャップ焼きそばだったよ と言った時点でYesなことはほぼ明確なので上記のやり取りで問題になることはおそらくないでしょう。

しかし、仕事におけるチャットのコミュニケーションにおいて、非常に類似した例が発生したので実際に起きたやり取りをご紹介します。

1.Aさん: 〇〇のドキュメント修正についてレビューお願いします。
2.Bさん: ☓☓のドキュメントが実装とあってないので修正したほうがいいと思います。
3.Aさん: あれ、今回の修正内容と関係ない気がするのですが、認識違いますか?
4.Bさん: はい、関係ないのですが、既存の問題があるので今回ついでに直しておいたほうがいいと思い指摘しました。
5.Aさん: 承知しました。

Aさんは 2 の指摘が来た際に、何が間違っているのかを確認するため色々とドキュメントを見直したりしました。というのも、Aさんが 1 で依頼していたのはドキュメント修正についてのレビューであり、 2 ではレビュー結果をもらったものと思い込んでいたからです。

しかし誤りが見当たらなかったことから 3 で指摘の意図を再確認し、ようやく 4 で認識合わせができたという流れでした。

このやり取りの一番の問題は、Bさんがレビュー依頼についての直接の回答を表現せずにすっ飛ばして話をしてしまったことにあります。まさに最初に挙げた例と同じ話ですね。BさんはAさんが期待していること、つまり レビューの結果 について問題がないということを明確に表現した上で、付加情報を付けてあげると良かったと思います。

それでは、やり取りの改善案を見てみます。

Aさん: 〇〇のドキュメント修正についてレビューお願いします。
Bさん: 今回の修正については問題ありません。ただ、☓☓が実装とあってない既存の問題があるので修正しておいたほうがいいと思います。
Aさん: 承知しました。

結果としてやり取りが1往復減ることになるのですが、これは特にチャットにおけるコミュニケーションにおいて非常に重要なことです。余分なやり取りが発生すると、

  • コミュニケーションコスト自体が上がる。 (チャットだと待ち時間が発生する。)
  • 待ち時間が発生するため、話が噛み合わないストレスが顕著化する。
  • 余分な作業が発生する場合がある。

ことになります。

これらの問題はチャットにおけるコミュニケーションで特に顕著になります。チャットでなく直接話をしていれば、コミュニケーションが噛み合っていないことをすぐに認識してそれを解消することは比較的容易でしょう。しかし、チャットのような非同期コミュニケーションツールだと相手のレスポンスを待つのに時間がかかるため、認識齟齬がすぐに解消されず、ストレスが溜まりやすくなります。

こういった認識齟齬が発生しないよう、相手の求めていることに対してレスポンスをするよう心がける一方、もしこういった認識齟齬が発生してしまった場合、電話などで対応したほうが話は早いことも多いので、可能であれば電話してしまいましょう。

むやみに婉曲的な表現を使わない

最近気になったもう一つの例を見てみます。

Aさん: ○○の修正をしていただくのって大変でしょうか?
Bさん: 大変ではないです。やりましょうか。
Aさん: じゃあお願いしていいでしょうか?
Bさん: 承知しました。

ちょっと補足すると、AさんがBさんに○○の修正をしてもらうことは必須な依頼でした。しかし、にもかかわらず直接的に依頼せずに、空気を読んでほしい的に間接的な表現でお願いをしてしまっています。実際にこの例のときにはBさんはすぐに必須の依頼であることを把握できたようですが、人や状況によっては相手の意図が取れない可能性もあります。Aさんはおそらく相手に気を遣って間接的な表現にしたのだと思いますが、少々ハイコンテクストすぎる気がします。本来の意図が依頼事項なのであればはっきりと、

Aさん: お手数なのですが、〇〇の修正をお願いしてよいでしょうか?
Bさん: 承知しました。

と伝えれば終わるやり取りです。これもやり取りが一往復減りました。チャットでなく対面でのやり取りであれば、最初に上げたようなやり取りでも相手に気を遣った雰囲気が出た上で、すぐに伝わるので問題ないかもしれません。 (それでも相手やシチュエーションによっては伝わらない可能性もあると思いますが。) しかし先に書いたとおり、チャットにおいてはやり取りするコストが大きいため、できるだけ簡潔にはっきりと意図を伝えることが重要だと思います。

ただし一方で、弊社ブログリモートワークのコミュニケーションについて
で気遣いを表現することの大事さについて強調されているとおり、チャットにおいて相手への気遣いを表現することも非常に重要です。しかし気遣いは、絵文字や補足の文章等で表現すればよい話であり、婉曲的でハイコンテクストなやり取りは基本的には避けたほうがいいでしょう。 (あくまで原則です。敢えてハイコンテクストなやり取りで遊んだりすることはあります。)


それでは得られた教訓を書いてみます。

チャットベースのコミュニケーションでは、原則として質を上げて噛み合わない不要なやり取りを減らすことが重要です。そのためには以下のポイントを意識するとよいと思います。

  • とにかく、明確に!明確に依頼する、相手の質問・依頼に明確に答える。
  • もし相手の質問・依頼の意図が不明確であれば、質問する。
  • 認識齟齬が発生してしまった場合、チャットで解消するよりも電話などで同期的に解消したほうが早いし、ストレスが少ない。
  • 相手への気遣いは、婉曲的な文章で表現するのではなく、絵文字などで表現する。

リモートワークではチャットのやり取りが中心になります。したがって今回のようなコミュニケーションの配慮を素早くできることは非常に重要なスキルです。

今回はチャットベースのコミュニケーションの質を上げるコツについて書いてみました。ただ、 コミュニケーションの質を上げることはもちろん重要なのですが、コミュニケーションの量も非常に重要だったりします。それについてはまたおいおい書いてみたいと思います。

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